時計にとって水のトラブルは、非常によくあるパターンです。
時計を水没させてしまったり、気付くと風防の内面に水滴や曇りが発生していたり・・・
そんな時は居ても立ってもいられないほど、とても不安な気持ちになるかと思います。
そんな最悪の事態を引き起こす原因としては、次の4つが挙げられます。
- 防水機能の低い時計をうっかり水の中に浸けてしまった。
- 防水機能の低い時計を急な雨で濡らしてしまった。
- リューズを締め忘れたまま手を洗ってしまった。
- 水や汗が付着した手でリューズやボタンを操作してしまった。
もしこのようなミスを侵してしまった場合、どうしたら良いのでしょうか?
慌ててリューズをいじらない
仮にリューズからの水の侵入が原因であったとしても、そのような時は「リューズをいじらない」のが鉄則です。
なぜなら、リューズを操作することで余計に水気が侵入してしまう危険性があるからです。
まずは水気の除去を最優先
トラブル直後にまずやるべきことは、落ち着いて手についた水気をタオルなどでよく拭き取ること。
次にペーパータオルやティッシュといった、水気を吸収しやすい素材を使ってケース全体を丁寧に拭いていきます。
その際、リューズの根元やネジ山といった細かい部分は拭き残しが発生しやすいので、特に意識して念入りに拭いた方が良いでしょう。
そこまでが完了したら、後は自然乾燥です。
乾燥させる場所としては、室内の風通しの良い場所がベスト。
この時、早く乾かそうとしてドライヤーをあてたり、真夏の直射日光に晒したりするのは絶対にダメ。
そのような行為は、機械内部の油に対して悪影響を及ぼしかねません。
曇りの発生が水の侵入のサイン
時計内部に水が侵入したかどうかわからない。
そんな時は著しい気温の変化に時計を晒して、風防の内面が曇るかどうかをチェックしましょう。
具体的には、寒い屋外から暖房の効いた温かい室内に移動してみるといった具合です。
この時に内面が曇るのでしたら、水が侵入した可能性あり。
すぐにメーカーまたは時計修理店に相談しなければいけません。
疑わしければ即修理に
水没で既に動かなくなっていたり、風防の内面に水滴が見られる場合などは、即「時計のプロ」に診てもらいましょう。
そうでなくても、自分でチェックして良くわからない場合は、念の為メーカーや時計修理店に相談した方が良いでしょう。
軽症でしたらムーブメントの点検、乾燥、簡単な修理などで済みますし、費用もそれほど大きな負担にはならないはずです。
もし重症の場合、放置すれば機械内部の錆びなど深刻な状況にも発展してしまうため、それを防ぐためのオーバーホールが必要になってきます。
その場合の費用としては、機械式時計でしたら安くても2~3万円。
クロノグラフなど複雑な機構でしたら、物によっては10万円以上かかることも十分に考えられます。
このような事態にならないことが一番ですが、なってしまったらできるだけ早く対応すること。
それ以外に、時計を正常な状態で維持する方法はありません。