最近時計の遅れが気になる・・・
そう感じるようになった時、機械式時計のオーナーとしては状況をどう捉え、どのような対処をするべきでしょうか?
そもそも、機械式時計はメンテナンス無しに長く正常な状態を保つことはできません。
メンテナンスをしたことがない、あるいは前回のメンテナンスからある程度の年月が経っていれば、時間が遅れるのも機械式時計にとっては、極々当たり前のことといえます。
そのため、もし思い当たる節があったら、何も焦る必要はありません。
落ち着いて以下のことを確認してみてください。
オーバーホールの前に精度確認をしてみよう
時期的にそろそろオーバーホールかなと思ったら、そのままメーカーや時計修理店に持ち込むのも良いでしょう。
明らかに精度が悪い場合も同様です。
ただ、時間が遅れると感じるのは、単なる思い込みである可能性も無きにしもあらずです。
もしかしたら気のせいかもと思った時は、1週間ほど自分で精度チェックをしてみるのがおすすめです。
やり方は簡単で、毎日「日差」のチェックをしていきます。
その際に下のようなグラフを使うと、精度のバラツキの有無がはっきりとわかり便利です。
グラフに日差を記していくことで、目に見えて精度のバラツキの有無がわかります。
毎日ただ時間を目視しているだけでは、仮に精度にバラツキがあったとしても、「問題があるのかないのか、よくわからない」といった状態になりがちです。
しかし、上のグラフを見れば、+20秒に振れている日もあれば、ー20秒に振れている日もある(=精度のバラツキが大きい)ということが一発でわかりますよね?
ここまですれば、オーバーホールが必要かそうでないかも、きっと自身で判断ができるはずです。
オーバーホールが必要な場合も、納得の上で依頼することができるでしょう。
機械式時計をオーバーホールに出すタイミングは?
精度のバラツキが許容範囲を超えていたら、直ぐにオーバーホールを依頼しましょう。
また、購入から4年以上、あるいは前回のオーバーホールから4年以上が経っている場合は、その時点でオーバーホールに出した方が無難です。
時計内部の機械油は経年劣化するため、定期的に分解洗浄や再注油することが必要です。
そのタイミングの目安としては、3~4年というのが一般的です。
精度異常を放置したり長期間オーバーホールをしないまま使い続けると、機械部品は摩耗するなど負荷がかかります。
常に時計をベストな状態に保ち、一生ものとして末永く愛用したいのでしたら、やはり定期的なオーバーホールは必須といえます。