メーカー(正規代理店)によるオーバーホールには絶対的な安心感がある一方で、料金が高いというマイナス要素もあります。
そのため、料金をできるだけ安く済ませるために、街の時計修理店を選ぶ人は少なくありません。
ただ、「格安」などの言葉に釣られて料金だけで選んでしまうのは非常に危険です。
安いのにはそれなりの理由があると、端から疑ってかかるくらいの慎重さはあった方が良いかもしれません。
時計修理店にオーバーホールを依頼するなら、必ず優良店を選ぶようにしましょう。
では、一体優良店とはどんな時計修理店のことなのでしょうか?
オーバーホールや修理実績が多いか?
まずは、年間「何千本」や「何万本」といたような、豊富なメンテナンス実績を誇っているかをチェックしましょう。
オーバーホールや修理の実績が多いということは、それだけ経験が豊富。
技術やノウハウの蓄積も多いと考えられます。
また、多くのユーザーから支持されている証拠でもあり、必然的に規模の大きな企業でなければそうはなりません。
小規模の時計修理専門店でも、腕利きの職人さんが経営していて、評判の良いところはあるかもしれません。
ただ、高額な機材を複数必要とする現代の時計修理においては、ある程度規模の大きなところを優先的に選ぶべきでしょう。
1級時計技能士が対応しているか?
時計技能士という国家資格があります。
時計技能士には1級~3級まであり、 高い技能と知識が無ければ 1級時計技能士の資格は取得できません。
格安を謳う時計修理店には、この1級時計技能士が不在であることが考えられます。
怪しいなと感じたら、事前に「オーバーホールは 1級時計技能士に対応してもらえますか?」と、問い合わせてみると良いでしょう。
尚、1級時計技能士よりも遥かにレベルが高いとされる「マイスター公認高級時計士(CMW)」の資格を持った技術者がいる時計修理店なら、さらに技術の面で信頼がおけるでしょう。
メーカー純正部品を使用しているか?
オーバーホールの際に、劣化や摩耗によって交換が必要な部品というのが、何かしら出てくる場合が殆どです。
その場合、純正部品を使っているかは非常に重要なポイントになります。
格安を謳う時計修理店では、適当な部品で済まされてしまうリスクも十分に考えられます。
適当な部品が使われた時計は改造品と見なされ、後にメーカーにメンテナンスを依頼する際に「受付不可」とされてしまう可能性が高いです。
逆に純正部品で修理された時計には、メーカーからクレームが付くことは当然ですがありません。
末永く愛用したい時計でしたら尚更のこと、純正部品にこだわらなければいけません。
最後に
- オーバーホールや修理実績が多いか?
- 1級時計技能士が対応しているか?
- メーカー純正部品を使用しているか?
優良店の条件を挙げるとすれば、他にもいくつかあるのですが、最低でも上の3つは確実に満たしたところを選びましょう。
大切な時計のメンテナンスですから「格安」という言葉だけに騙されないように注意してください。