ご存知の通り、時計は精密機械です。
特に機械式時計のムーブメントは、非常に繊細につくられています。
もし時計を床に落としてしまって、そのまま止まった(!)ピクリともしない(!)となってしまったら・・・
そんな時は、即修理に出しましょう。
動かない程の深刻なトラブルは、プロにお願いするしかありません。
仮に動いていてたらどうするか?
その場合は、何か不具合が無いかをまずはチェックしてみましょう。
机の角やコンクリートの柱などに、強くぶつけてしまった場合も同様です。
ただ、一口にチェックと言っても、具体的にどんなところをチェックしたら良いのか、意外にわからないのではないでしょうか。
ということで、このページでは時計に強い衝撃を与えてしまった際の対応の仕方について、順に解説していきます。
まずはケースやガラスの傷をチェック
ケースやガラスといった外装部品に傷が付くほどの衝撃でしたら、内部のムーブメントにも大きなダメージが加わっている恐れがあります。
そのため、まずはくまなく、ケースやガラスの傷の有無をチェックしましょう。
もしも気になる傷があったら、その時点でメーカーや時計修理店に相談することをおすすめします。
時計を振って異音がしないか?
幸いコレといった傷が無くても、まだ安心はできません。
あくまで時計は精密機械です。
特に機械式時計でしたら、部品のズレや欠損などが生じていることも十分に考えられます。
そういったことをチェックするために、軽く時計を振ってみましょう。
もしも「カラカラ」と異音がするなら、メーカーや時計修理店に相談しましょう。
もし異音を無視してそのまま使い続けたとしたら、最悪正常な部品にも傷が付いてさらに事態が悪化することも考えられます。
傷も異音も無かったら?
傷や異音が無くても、念の為1週間は精度をチェックしてみましょう。
直後には異常が見られなくても、後になって不具合が見つかる可能性も決してゼロではありません。
ちなみに精度をチェックする方法としては、自身で毎日「日差」をチェックするのが、一番簡単でお金もかかりません。
その際に下のようなグラフを使うと、不具合の有無がわかりやすくて便利です。
例えば、日差が20秒以内に収まっていたとしても、日によって+20秒やー20秒などバラつきが大きい場合は、ムーブメントに問題があると判断することができます。
そうなれば当然、プロに診てもらう必要があります。
時計に異音や精度異常があった場合は・・・
異音がする場合は、おそらく修理が必要になります。
部品が折れていたり欠損している可能性が高いので、分解整備や部品交換といった作業は必須になるでしょう。
精度異常が見られる場合は、ムーブメントの再調整が必要です。
ヒゲゼンマイなど調速・脱進機構の部品の歪みやズレが原因として考えられます。
いずれにしても、プロの時計修理技能士にお任せするしかありません。