リューズといえば巻き上げや時刻合わせなど、日頃から触れたり操作したりする機会の多い時計の主要な部品の1つです。
にも関わらずリューズは繊細な部品でもあることから、常にトラブルは付き物。
また、クロノグラフのボタンに関しても同様のことがいえます。
リューズやボタンに関するトラブルで特に多いのが「根本までしっかりと締まらない」といったようなものです。
まずはリューズの正しい扱い方を意識しよう
冒頭でも触れているように、リューズは繊細で傷みやすい部品です。
そのため、扱いは常に丁寧でなければいけません。
引き出す時はまっすぐソフトに。
回す時はゆっくり回す。
締める時もゆっくり、根元までしっかり締める。
但し、強く締めすぎるのは良くありません。
繰り返し強く締めすぎることで、ネジ山が潰れてしまう恐れがあります。
実はネジ込み式リューズの内部にはゴムパッキンが付いていて、それが防水性を確保する役割を果たしているのです。
決して、ネジを締め付けることで水気の浸入を防いでいる、というわけではないんですね。
むしろ、強く締めすぎることは、ゴムパッキンの潰れの原因にもなってしまいます。
このように頻繁に触れる箇所だからこそ、基本に忠実な操作を心がける必要があります。
リューズが閉まらない時に確認すること
もしリューズが締まらなくなったら、まずは汚れやホコリの存在を疑いましょう。
根元やネジ山は、汚れやホコリが溜まりやすい部分です。
ここを良く観察して、黒ずみが確認できたらそれは汚れやホコリが堆積している証拠。
黒ずみを除去するには、毛先の柔らかい歯ブラシを使用します。
なければ爪楊枝でもOKです。
ちなみに、このようなトラブルの時以外でも、常にリューズ周りは綺麗にしておくべき。
汚れの堆積は防水性の低下に繋がるからです。
それでもリューズが閉まらない時は・・・
汚れやホコリの除去ができたら、改めてリューズが締まるかどうかチェックします。
その際はケースに垂直に、優しく締めるよう心がけます。
これで締まれば問題は無いのですが、もし駄目ならリューズ自体に問題があると考えられます。
具体的にはネジ山部分の腐食や損傷、リューズ・チューブの凹みなどが原因である可能性が高いです。
このような場合には、オーバーホールと該当部品の交換が必要です。
速やかにメーカーや時計修理店にメンテナンスを依頼しましょう。