時計にとって、ガラス(風防)は顔の一部。
よく見えるし、無くてはならない部品です。
少し傷が付いただけでも非常に気になりますし、割れてしまえば時計としての機能すら果たせなくなってしまいます。
それだけに、時計のガラスに関するトラブルで悩む人は多く見られます。
もし大切な時計のガラスが割れてしまったり、傷がついてしまったら・・・
どのように対処したら良いのか、以下に解説していきます。
目次
時計のガラスの種類は何?
一見どれも同じように見える時計のガラスですが、実はその種類は様々です。
大まかに分けるのでしたら、次の3つに分類されます。
- アクリルガラス
- ミネラルガラス
- サファイアクリスタル
ガラスの種類によって、トラブルが起きた際の対応方法が異なります。
そのため、まずはご自身の時計に使われているガラスが何かを把握する必要があります。
時計のガラスの種類を見分ける方法は?
もしガラスの種類がわからなかったら、次のことを試してみましょう。
まずは、ツメ先でガラスの面を軽くコツコツと叩きます。
その際、 軽く低い音がしたら、それはアクリルガラスです。
そうではなく、重く高い音がしたら、それはミネラルガラスまたはサファイアガラスです。
もう1つの見分ける方法としては、ガラスの面を指先で軽く触ってみることです。
ザラザラしているのがアクリルガラス、ツルツルしているのが ミネラルガラスまたはサファイアガラスの特徴です。
上記のどちらか、あるいは両方を試してみて、ガラスの種類に確信が持てた場合のみ、はじめて「自分でメンテナンスする」という選択肢を検討してみても良いかもしれません。
もし少しでも怪しいと思うのでしたら、ご自身で研磨などは控えるべきです。
後悔しないためにも、プロにメンテナンスをお任せしましょう。
時計のガラスの特徴は?
次に、それぞれのガラスの特徴を簡単に説明します。
アクリルガラス
アクリルガラスは透明なプラスチックや合成樹脂で作られており、「プラスチック風防(プラ風防)」と呼ぶこともあります。
強度を上げるためにドーム型につくられたものが主流です。
ドーム型のアクリルガラスは、アンティークウォッチによく見られ、そのレトロな佇まいに魅了される時計ファンは少なくありません。
軽量で加工しやすく、さらに軽い傷でしたら研磨によって消せるというメリットもあります。
逆にデメリットとしては、樹脂なので傷が付きやすい、紫外線で変色するといった点が挙げられます。
ミネラルガラス
ミネラルガラスは、いわゆる一般的な「ガラス」です。
中でも時計に使われているのは「クリスタルガラス」や「ハードレックス」といった特殊加工により強度を高めた強化ガラスである場合が殆どです。
アクリルガラスに比べれば傷が付きにくいのがメリットですが、それでも強くぶつければ割れたり欠けたりしてしまいます。
傷が付いた場合、全く消せないということはありませんが、素人ではほぼ不可能なレベルです。
サフィアクリスタル
上の2つに比べるとコストが高く、高級時計によく使われているのがこのサファイアクリスタルです。
その最大のメリットは、なんと言っても傷が付きにくいことです。
よくダイヤモンドの次に硬いといわれています。
但し、強い衝撃が加わると割れてしまうことも珍しくありません。
傷が付いた場合は、まず消すことは不可能です。
傷を放置するとゆくゆくは破損に繋がる可能性があるため、プロの手によってガラス交換を行うのが一般的です。
自分で研磨できるのはミネラルガラスのみ
ガラスの種類がミネラルガラスでしたら、ご自身で研磨を試してみるのも良いでしょう。
その際、一般的によく使われているのが「サンエーパール」と「ポリウォッチ」いう研磨剤です。
もし研磨の仕方がわからなければ、Youtubeを参考にされるのがおすすめです。
Youtubeの検索窓に「時計 ガラス 研磨」と入れて検索すれば、直ぐに参考になる動画が見つかります。
時計のガラスの修理・交換料金は?
最後に時計のガラスの修理や交換をメーカーや時計修理店に依頼した場合の料金について、おおよその相場をまとめておきます。
アクリルガラス
- 研磨:3,000円~
- 交換:8,000円~
ミネラルガラス
- 交換:20,000円~
サファイアクリスタル
- 交換:20,000円~
尚、当然といえば当然ですが、料金は時計のブランドやモデル、依頼先などによって大なり小なり違うはずです。
詳細については、各メーカーや時計修理店に問い合わせを入れてみましょう。